オトナチック
「おばあちゃん、とても嬉しいよ。

和泉のお嫁さんの顔を見ることができて」

洟をすすったおばあさんに、
「ばあちゃんの願いだったもんね」

杉下くんは首を縦に振ってうなずいた。

2人のその様子に、私はホッと胸をなで下ろした。

上手に演じていることができているみたいだ。

「芽衣子さん」

おばさんに名前を呼ばれて、
「あっ、はい」

私は返事をした。

「ふつつかな孫ですが、大切にしてやってください」

おばさんはそう言った後、私に頭を下げた。

「えっ、あの…」

どう返せばいいのかよくわからなくて、私は助けを求めるために杉下くんに視線を向けた。
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