遠くにみえる夜景 と 海に浮かぶ白い月
夕日が沈むまでにはまだ少し時間があった。私たちは砂浜を散歩をすることにした。私たちの他には、手を繋いで歩くカップルや、親子連れなんかがちらほら居るだけだった。

深いブルーだった空が、だんだん茜色に染まっていく。私はこの瞬間が大好きだ。

そんなことを思っていると、
「これで何回目の沖縄だっけ?」と彼が聞いてきた。

「うーんと、1、2、3…7回目じゃない?ほら、毎年来てるけど、一度だけ違うところに行ってみようって言って、屋久島に行ったじゃない?それで、付き合って8年目だから、、うん。これで7回目。」

「そっか。そういえば屋久島行ったね。雨がずっと降り続いて大変だった。お前は転んで泥だらけになるし。あれは笑ったな〜。」

「…そうだった。あなた呑気に笑っていたけど、すごく痛かったんだからね!」

「ごめんごめん。その年以来、何も言わずに沖縄旅行に戻ったけど、まぁあれはあれで楽しかったよな。」

「うん、楽しかった。また屋久島も行きたいね!」

「そうだね、でももう転ぶなよ?笑」

「大丈夫だもん!もう、面白がらないで。」

そう言うと、彼は笑った。私も笑った。すごく幸せな時間だった。

時間が少しずつ流れ、波は静かに揺れながら、BGMのように小さな音をたてている。太陽は沈んでしまうのが名残惜しいというかのように、ゆっくりと、でも確実に傾いていった。
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