幸せのかけら





"ーーーーーー美味い"


"わ、嬉しい"









ーーー遅めの夕食。


幸せな怠さを感じつつ、私も箸をすすめる。


響は機嫌がいいみたいで、美味い美味いと言いながらパクパク食べている。



響のチャーハンが食べたいとお願いすると、快く引き受けてくれた。


かっこよくて料理もできる響。


確かめ合ったあとだからか、まだ響に包まれてるような気がする。





ーーーあっという間にたいらげ、片付けようとしたとき
甘いものが欲しくなり、ふと思い出す。







"ーーー響"


"何?"


"ケーキは?"


"………あ、玄関置きっぱ"


"ええ!"







バタバタ玄関に向かうと、ポツンと置かれた白い箱。




"ケーキが…"


軽くショックを受けていると、響も来てくれて



"この季節だし、もう1度冷蔵庫入れたら大丈夫だろ"


"ーーーせっかく響が買ってくれたのに。
絶対食べる"









"ーーー愛"


おでこにキスされ、箱を取られリビングへ。








"ーーー冷えるまで、さっきの続きな"


"へ?"




響の目が熱くなり、ドキンとする。






"ーーー話を蒸し返すようで悪いけど。
愛がやきもち妬いたのが嬉しくて。
でも、俺には愛だけっていうことをもっと伝えないとな"



"も、もう十分です!"


"残念、諦めろ"









ーーーーーー響にキスされると、私の心は素直で。


愛されるとこに幸せを感じる。










ーーー私だって、想う気持ちは負けてないことを伝えよう。


だから、時々のやきもちは許しね。



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