黄金と四聖獣
だが、いくら聞いても、洞窟や祠が
あるという話は一つも出てこなかった。
この近くじゃないのかな…
というように考えながら、私たちは宿へと
戻ってきた。
宿の広間では、女将さんと女の人が
「おかえりー」
と迎えてくれた。
部屋に入り、三人とも畳に座りながら
ため息をついた。
「武器を手に入れられたのは良かったけど、白虎の手掛かりがなさすぎるな」
と、シオン様。
「誰も知りませんでしたもんね」
と、エーラも残念そうに言った。
私も残念に思いながら二人の会話を聞いていた
けれど、ふと考えが浮かび、
「女将さんに聞いてみませんか?」
と言った。
あの女将さんは、多分長いことここにいる人
だと思うし、知っていることがあるかも
しれない、と、私は思っていた。