黄金と四聖獣
これと同時刻、グオンは兵から報告を
受けていた。
「そうか、シオンはエーラと共に逃げたか。」
「はい…しかし、良かったのですか?シオンの左目が見えたら撤退せよとのご命令でしたが…そんな簡単に…」
その言葉を遮るようにグオンは、
「撤退しなければ、お前達はみんな死んでるぞ。シオンの目が黄金色に変わるのを見ただろう?」
と問う。
「…黄金色…ですか?確かに少し黄色に見えたかもしれないですが…今宵は満月です。月の光が映っただけでは…?」
「…まぁ、油断はしないことだ。シオンが本気になれば、この城をおとすことも可能かもしれない。」
「従者と…二人で、ですか?」
「いや、六人だな」
グオンのその言葉に、
兵は不思議そうな顔をする。
「まぁいい、報告、ご苦労だった。フェルナンを呼んでくれ。それが終わったら休んでいい」
「はっ」