黄金と四聖獣



これと同時刻、グオンは兵から報告を


受けていた。




「そうか、シオンはエーラと共に逃げたか。」



「はい…しかし、良かったのですか?シオンの左目が見えたら撤退せよとのご命令でしたが…そんな簡単に…」


その言葉を遮るようにグオンは、


「撤退しなければ、お前達はみんな死んでるぞ。シオンの目が黄金色に変わるのを見ただろう?」


と問う。



「…黄金色…ですか?確かに少し黄色に見えたかもしれないですが…今宵は満月です。月の光が映っただけでは…?」



「…まぁ、油断はしないことだ。シオンが本気になれば、この城をおとすことも可能かもしれない。」


「従者と…二人で、ですか?」



「いや、六人だな」



グオンのその言葉に、


兵は不思議そうな顔をする。


「まぁいい、報告、ご苦労だった。フェルナンを呼んでくれ。それが終わったら休んでいい」


「はっ」




< 11 / 418 >

この作品をシェア

pagetop