黄金と四聖獣
そして、エーラの表情が固まり、
女将さんと山賊たちは、きゃっという効果音が
つきそうな感じに
口を両手で押さえた。
「え…えーと…はい、そうなんですけどシオン様…少し前にエーラが、シオン様が無自覚に女官の方々をおとしまくってたという話の納得がいきました。」
と、私はシオン様から少し目をそらしながら
言った。
「え''」
と声を上げてシオン様は私から離れる。
「どうしてそれを今納得するんだ?」
と、不思議そうに言うシオン様。
…むしろ、あなたが不思議そうにしているのが
不思議だわ…
と私は心の中で呟いた。
「あらあらあらあら、あんた方そんな関係で?」
にやにやしながら近づいてくる女将さんに、
「違います」
と返すと、
「えぇーーーー」
と、不満そうな声が上がった。
声の数が結構多くて、声がした方を見ると
山賊の人達が周りに集まってきていた。
「お似合いなのになぁ」
「綺麗な顔してんなー」
「俺は黒髪のガキんちょとくっついてほしいな~」
「そのふたりがダメなら俺なんかどうだい」
「釣り合わなさすぎるよヒゲ親父」
などなど、一気に周りから飛び交う言葉に
私達はポカンとした。
「こいつらは元々、随分愉快な奴らなんじゃよ。ここを守るために、山賊の真似ごとしてもらってるだけでねぇ」
ふぇっふぇっふぇと、笑いながら女将さん
が言う。
「そうだったのか」
と、シオン様は納得したようにいう。