黄金と四聖獣
「……人の…」
私が小さな声でぼそっと言いかけたことに、
「なんだって?聞こえないな」
「そんな物騒なもの構えてるけどお嬢さん震えてるじゃん。それを置いてこっちにおいで」
と、二人して突っ込む。
「…これは怒って震えてるのよ。人の少ない至福の時間を邪魔しないで!」
そう言い終わるやいなや、矢を放って
一人の役人の袖を後ろの木に打ち付け、
それを取ろうとしたもう片方の手の袖も
射抜いて貼り付けた。
「な…なんだこの女…!」
一人の役人は貼り付けになっていて動けないし
もう一人は驚いたように後ずさる。