黄金と四聖獣
「フィアネとゼンは、この村で役人たちが無茶なことをしないか、ライアと一緒に見ていてくれるか?」
そうシオン様が言い、私は
「はい」
と頷きながら言った。
「気に食わない奴がいたら引き裂いてもいいのか?」
とゼンがシオン様に聞くが、
「ダメに決まってる。」
とシオン様とエーラが口を揃えて言い返す。
「正当防衛ならいい…いや、あまり良くはないが…ゼンなら、向こうの戦意を喪失させることだって難しくないだろう」
と、シオン様が言うと、ゼンは
「それ、あんまりスッキリしないんだよなぁ」
と文句を言う。
その文句を、シオン様は華麗に無視して、
「じゃあ、ともかくすぐに私とエーラは移動する。フィアネ、ゼン、村のことは頼んだ。ライア、全てが終わったら、よろしく頼む」
と、にこやかに素早く指示を出してから
シオン様とエーラは部屋を出ていった。
その部屋を出る前に、エーラがこちらに
近づいてきて、
「あんまり、危ないことするなよ?」
と、屈んで私の目線に合わせてから言った。
「うん、しないわ。約束ね」
と笑って返した。