黄金と四聖獣
あ…殺られる…
そう思った時、私は後ろから強い力で引かれ、
体制を崩す。
そして後ろに倒れ込むと、優しく
抱きとめられた。
目の前に迫ったぺトラスの手に、刀が
振り上げられる。
…捉えた…!
そう思ったが、ぺトラスは急停止し、
手を引っ込めて、刀は空を切っただけだった。
「エーラ!だいじょ…」
私はそう言いながらエーラの方を見ると、
言い終わる前に、一目で大丈夫じゃないことが
わかった。
さっき吹き飛ばされた時に打ったのか、
頭から大量に血を流している。
「死に損ないが…」
ぺトラスはイラついた顔でこちらを見る。
私は素早くエーラの頭に触れる。
…ひどい傷…パックリと裂けてしまっている
傷は、治すのに少し時間がかかってしまう。
エーラは、息が荒く肩で息をしながらも、
敵を睨む目から戦意は消えていなかった。