黄金と四聖獣



シオン様のそばの木の枝には鷹がとまり、


首をすくめて目を閉じていた。




「シオン様、大丈夫ですか?」


と声をかけると、シオン様は困ったように



「すまない、火の起こし方がわからないんだ…」


と言った。




「大丈夫ですよ。私、やり方分かりますから」


と答えて、私は火をおこす作業に入った。




「フィアネ、これからもっと色んなことを教えて欲しい。自分の人生を私に捧げてまで付いてきてくれたエーラに、あまり迷惑をかけたくない」



と、火をおこす私の側に座ると


そんなことを言うシオン様。




「エーラはきっと迷惑だとか思ってないですよ?」


そう返すけれど、シオン様は少し下を向くと、


「いや、私のせいでエーラは平和な場所から出てこなければならなかったんだ。」


と言った。


「でもそれは、エーラが決めたことでしょう? 」


私は宥めるようにそう言うと、


「あなたが色々なことを出来るようになりたい、というのはいいことだと思います。けど、お互いのことを迷惑だと思うような軽い信頼関係ではないでしょう?二人はそのままで大丈夫ですよ」


そう微笑むと立ち上がり、シオン様に向かって


手を伸ばす。



「お教えしますね、火の起こし方。」


すると、シオン様は私の手を取って


立ち上がってから言った。




「…フィアネが側にいると、ほっとして弱音を吐いてしまうな」



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