君が罪なら俺は罰を受け入れる
君は罪深き女
『4月1日じゃないけど?』
『あのさ、今日は4月1日じゃないけど?
カレンダーで日付を確認してから、そう言ってくれる?』
電話をかけてきた相手に俺はそう口にする。
今の俺の顔は驚きと何かを期待するような思いで作り上げられていると思う。
『………カレンダーなんて…今ないもん……』
電話の向こうで弱々しい声がそう答え、俺は耳を澄ます。
その弱々しい声の向こうで救急車のサイレンの音が聞こえる。
『今、どこにいんの?』
『……………公園……』
『お前も一応は女だろ、こんな時間に公園なんていんなよ』
『………だって………気が付いたらここに……ひっく……』
一度スマホを耳から離し、時間を確認する。
そこに表示されている時刻は既に夜の10時を過ぎている。
電話の向こうでは相変わらずの弱々しい声と嗚咽が聞こえてきて、いても経ってもいられなくなる。
『今からその公園に行くから、とりあえず近くのコンビニとかに入って待ってろよ』
ソファーに置かれたブランケットを手に取り、財布をジーンズのポケットに突っ込み、玄関へと向かう。
こんな風にあのバカ女を迎えに行くのはこれで何度目だろうー……
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