君が罪なら俺は罰を受け入れる






『小原君って、結構しっかり者だよね』







『まぁ、山下よりかは。』





そう言って彼は最後のファイルをあたしの机に戻した。











『ねぇ、小原君。


 あたしがどうしてお客様に失礼ない仕事が出来るか教えてあげよっか?』








興味はあるのか、彼は横目であたしを見てくる。











『実は小原君が今やってくれたことが非常に関係してるんだよー』








『ファイルを戻す作業のことか?』









『そうそう。だって小原君ファイルを戻す時にさ?


 わざわざ仕事の順に積んでくれてるでしょ。


 それも一番有効的な順に置いてくれてるから、傾れを起こす度に仕事の片付け順が一目瞭然なのよ』









多分、彼の性格なんだろう。





自分にとってやりやすいやり方で仕事の優先度順に片付けていく、それを彼はあたしの分まで知らず知らずのうちにやってくれている。





それでいて、彼はどんなプランになっても平気なようにと資料を事前に作成している、それを知っているから拝借しちゃったり、そんなことしてるからね。





だから、あたしはいつも大助かり。









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