君が罪なら俺は罰を受け入れる







『………いいですけど。』




元彼はトレーを強引に横にずらし、掴まれた手首を開放させながら、そう答えた。






『……ありがとうございます』



俺がそう言葉にすると、元彼はトレーを先程まで座っていたテーブルに戻し、テラス席になっっているところに向かって歩いていく。



俺はその後をただ静かに追った。







『………え……ちょっと……』




背後からは困惑気味のバカ女の声。



元彼はその声に振りかえることはなく、俺はその場で一度振りかえる。








『ちょっと行ってくるわ。その辺にいろよ』




そう口で言っても、バカ女はすごく困った顔をしていた。



そして俺は再びバカ女に背を向け、元彼の後を追った。



元彼は既にテラス席に辿りつき、ある席の前で立っていた。



まるで、“ここにしますか”と、言っているかのような顔をし、俺はその席に駆け寄った。







< 45 / 143 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop