君が罪なら俺は罰を受け入れる
『………いいですけど。』
元彼はトレーを強引に横にずらし、掴まれた手首を開放させながら、そう答えた。
『……ありがとうございます』
俺がそう言葉にすると、元彼はトレーを先程まで座っていたテーブルに戻し、テラス席になっっているところに向かって歩いていく。
俺はその後をただ静かに追った。
『………え……ちょっと……』
背後からは困惑気味のバカ女の声。
元彼はその声に振りかえることはなく、俺はその場で一度振りかえる。
『ちょっと行ってくるわ。その辺にいろよ』
そう口で言っても、バカ女はすごく困った顔をしていた。
そして俺は再びバカ女に背を向け、元彼の後を追った。
元彼は既にテラス席に辿りつき、ある席の前で立っていた。
まるで、“ここにしますか”と、言っているかのような顔をし、俺はその席に駆け寄った。