君が罪なら俺は罰を受け入れる
『二度と現れないと誓います』
『二度と、現れないと誓います』
俺は、ただ真っ直ぐ、目の前にいる元彼にそう言った。
それはなんの迷いもなく出た言葉で、それは後悔のこの字すらえ出ない思いだった。
『……マジで言ってます?』
あまりに俺が真っ直ぐと答えたからか、俺よりも元彼の方がうろたえていた。
『だから、お願いします。
百合を幸せにしてやってください!』
俺は元彼に頭を深々と下げた。
元彼は何も言わなかった。
俺はしばらくそうして、それから顔を上げ、元彼の顔をまじまじと見つめた。
『百合を、宜しくお願いします』
俺はそう言って、その場を離れた。
向かうところは、もちろん、バカ女のところー……
とりあえず、元彼がもう一度ヨリを戻してくれるということを伝えて……
(……後は説明すんのも面倒だから、まぁ、いっか………)
静かに、でも勇ましくバカ女のところまで歩いていくと、俺に気がついたのかバカ女は急いでその場に立ちあがった。
『……………小原………』
そう言って、俺の名前を呼ぶ、バカ女。
(あぁ……そうだな、これがバカ女に呼ばれるのも最後なんだよな……)
すっげーそんなことをしみじみと思いながら、俺はバカ女を見つめた。