【短編】「言わせてやろうか、好きだって」
「でもさ、高校は違うから知らないけど中学では翔平モテてたじゃん実際」
「…まあ」
「なのに告白とかされても全部断ってたでしょ、あれなんで?実は彼女いたとか?」
「…なんでもいいだろ別に」
「やっぱいたんだ!ぶっちゃけ今もいるんでしょ彼女」
ケタケタ笑いながらそう言うと、翔平は黙ったままギロリと私を睨む。
やべ、ちょっとからかいすぎた?
「…千夏」
私の名前を呼ぶその声が、静かな部屋に低く響く。