…… の、 定義

その日の帰り道の回想シーンは
お互いに好きだからこそすれ違う
リュウとハルがもどかしく、切ない。

誰にも渡したくない。
それがリュウの本心です。

突然ハルを失う事を恐れて
予防線を張る臆病なリュウ。

こんなつまらない男でいいのかと
自信なさげに尋ねるリュウに、
ハルは迷いなく答える。
これからずっと幸せにしてあげる。
そうしたらつまんなくないでしょ？と。

リュウはずっと、ハルを幸せにしてやるのは
自分だと思っていたのに、ハルは事も無げに
幸せにしてあげる、と言うのです。
リュウは嬉しかったに違いありません。

そう、幸せってそんなものかも。
お互いが相手を幸せにしたいと思うから
自分も相手も幸せなのであって。
一方通行では二人で幸せにはなれない。


どんなにハルが若くても、歳が離れていても、
リュウを想う気持ちは誰にも負けない。
だからリュウのものになりたいというのは
極自然な流れであって。

他の人ではなく自分に触れて欲しいという
ハルの気持ち、もう立派に女ですね。

初めてでも積極的なハルに対して、
腐るほど女性を抱いてきたリュウの方が
女を優しく抱いた事なんてないんだけど…と
戸惑っているのが妙におかしい。

こうして身も心もハルと結ばれた事で、
リュウはこれから先、この手でずっと
ハルを守って行こうと思えたのです。