意地悪くんと鈍感ちゃんの初恋物語
「文化祭、お疲れ様でした、生徒の皆さんは、生徒祭が始まりますので、体育館へ……」

校内アナウンスが流れる。

「あ、じゃあ美空、頑張ってね?
わたし、クラスの席に並ぶから今度は近くから応援できないけど……」

鈴木はキャンディをコロコロと口の中でで弄びながら、あっさり美空に手を振って去っていった。
ガンバレーと言いながら。

「ありさぁ……」

そんな鈴木の後ろ姿を、美空は何とも言えない心細そうな顔で見つめていた。
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