意地悪くんと鈍感ちゃんの初恋物語
俺は美空の口元に指を添えて、ケーキのくずをすくった。
それを、そのまま自分の口に運ぶ。

「やだバカ!
何してるの?!」

「ん? ちょっとケーキ食べただけ」

「バカァ!
恥ずかしいの嫌、目立つの嫌っていってるのに!
今日はどうしてそんなふうなの?!」

美空が紅い顔でこちらを見上げる。
鈍感なくせに、そこは恥ずかしいってわかるのか。
美空はやっぱりどこか、ずれている。
そこも可愛い。
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