意地悪くんと鈍感ちゃんの初恋物語
体育が終わって教室に戻ると、教室の入口でぼ~っとつっ立っている立花を発見した。
後ろにいる塩崎に目配せをして、さっき買ったお茶のパックにストローを差して、飲みながら教室に入る。

「少し飲む?」

「うん、ありがと!
喉、渇いてたんだ!」

受け取ったお茶を、何のためらいもなく受け取る立花。
俺が口にしていたお茶を美味しそうに飲む彼女の姿を、塩崎は目を丸くして見ていた。

入口で立ってると迷惑だぞ、と、優しく肩を抱いて席まで誘導する。

「ほらお前、座れって」

肩を掴んで座らせて、自分も隣に座る。

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