意地悪くんと鈍感ちゃんの初恋物語
何でまだ伝わらない?
昨日こそは、何かが伝わるかも、いやむしろ変わったかもって思ったのに。

それにしたってよりにもよって、お父さんって……。
なわけねぇだろ!

違うっつの!
くっそ、どうしてだ?!

思わず机に突っ伏す。
もう、どうすればいいんだ……!

「今日は瀬田が寝ちゃうの?

そろそろ先生来るよ? 寝てたら怒られるかもだよ?
あ、あたしは瀬田と違って優しいから、起こしてあげるよ?」

昨日の6時限目、起こさなかったことを、鈍い彼女なりに皮肉っての発言だろう。
でも俺はその発言に乗る元気が今のところ、ない。

「いいから……。
暫くほっといて……」
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