意地悪くんと鈍感ちゃんの初恋物語
ホームルームは、机に突っ伏したまま聞いた。

取り敢えず点呼の時だけは、顔を上げて返事をしたけど、それ以外はずっと両腕を机に伸ばして、顔を埋めていた。

意気消沈な俺の様子に、高橋が後ろから笑う声が聞こえる。
それで堪えてるつもりかっての。

「どうしたんだろね、高橋君」

今日は朝からよく笑うねぇ?
立花はのんびりと後ろを見やった。

「さぁな」

やっぱり自分が引き起こした事体だとは、到底思っていない様子だ。

「これだから鈍感は……」

俺は呟いて、また机に突っ伏した。
もう、ひとつひとつ説明することも、面倒で出来ないレベル。
誰か彼女をどうにかしてほしい。
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