好きと言えなくて
園村友加里の事務所から、園村友加里が急性胃腸炎で入院したと連絡が入った。


園村友加里の代役は園村友加里の事務所の新人女優を使うらしいが、田城ちひろが納得しない。


結局、園村友加里の代役は園村友加里の事務所新人女優と私の二人がやることになった。


監督が私たち二人の演技を見て決めたいらしいけど、私は女優でもないし、女優になりたいわけでもないから。


園村友加里の事務所の新人女優さんに決めてほしいです。


夕食もあまり食べられなくて、シャワーを浴びベットに潜っていると、田城ちひろが部屋に入って来た。


「明日の二人のシーンの練習するぞ。」


知らない。


私は女優になりたいなんて、一言も言ってないです。


いきなり布団をはがされた。


ベットの上にドスンと座り叫んだ。


「私は女優になるつもりもないし、演技なんて出来ません。」


綾華のその挑戦的な目がいい。


なんて呑気な事言ってるし。


だから、嫌だと言ってるのに。


「大丈夫だから、俺がついてるから。」


もうなんなの。


私に何をさせたいのですか。


そもそも智尋兄さんは私がこの家に来たことも、喜んでなかったはず。


あの約束だって覚えてないのだから。


本当腹立たしい。


「綾華はいつからそんなに短気になったんだ。」


それは私のセリフですからね。


いくら私が抵抗しても、あっさりとかわし、セリフの練習を始めてるし。


もう力つきて、仕方なくセリフの練習に付き合う事にした。


結局一睡もしないまま、朝になった。











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