不器用な彼女、かわいい彼氏。

「ごめん、波瑠奈。あたし今日は行けないや。お母さんに買い物頼まれててさ」


あたしがそう言うと、波瑠奈は少し残念そうにそっか、とつぶやき

「じゃあまた今度行こうね!」

とだけ言って、他の後輩達と話をしながら帰っていった。


嘘をつく必要なんかなかったけど、何となくついてしまった。


部室にひとり取り残されたあたしは、携帯の画面で時計を確認し、テレビが始まるまでもう時間がないので急いで着替えて鍵を閉めて部室を後にした。


< 4 / 28 >

この作品をシェア

pagetop