エリート上司と秘密の恋人契約
私のぎこちない話し方に触れられなかったのは、安心した。

本当に楽しそうな顔をするから、私まで楽しみになってきた。自然に楽しめるといいな。

それからそのテーマパークの何が好きだとか話した。和真は子供の頃の記憶を呼び出して、楽しかったエピソードを話してくれた。

私も楽しく返すことが出来て、静かな空間が賑やかな空間へと変わった。

こんなふうに楽しい1ヶ月になるといいな。


「ありがとうございました」


「うん、また明日ね。おやすみ」


「おやすみなさい」


20分は意外に短い時間かもしれない。

テーマパークの話をしていたらすぐに着いてしまった。もっと話したかったなという余韻を残して。

片手を小さくあげて、去っていく車を見送った。

どんな1ヶ月になるかは分からないけど、とりあえず身近に迫ったデートを楽しめればいいな。

世界的に有名なキャラクターの横に立つ和真の姿を想像すると口元が緩む。並んでもらって、写真を撮りたい。

なんだかワクワクしてきた。ただ泊まりということだけが不安ではあるけど。

< 20 / 232 >

この作品をシェア

pagetop