エリート上司と秘密の恋人契約
そうだ、女には不自由していないはずだ。なのに、何で私に声をかけるの?

しかも、1ヶ月とかワケのわからない期限付きで?


「とりあえず、そこのカフェで話をしよう」


そこのカフェで?

あ、もしかして……付き合うって、そこのカフェに?でも1ヶ月毎日、そこに通うのかな?


「一応言っておくけど、交際するという意味だから」


やっぱりそっちなのね…でも!

なんで、そんなことを言うのだろう?

疑問符をいくつも浮かべながら、オフィスを出て、前にある交差点を渡ったとこにあるカフェに入る。帰りの通勤時間に利用する人は多くないようで、店内に客は少なかった。

奥の窓際の席に向かい合って座る。


「お腹空いているなら、軽く食べる?」


「いえ。コーヒーだけでいいです」


サンドイッチのような軽食がメニューにあったけど、晩御飯は家で食べる予定だったし、まだそれほどお腹は空いていなかったので、コーヒーだけで十分だった。

諸橋副課長は、コーヒーを二つオーダーした。
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