エリート上司と秘密の恋人契約
『午後から出掛けるけど、予定よりも早く戻れることになった。夜、一緒に帰ろう。戻ったらまた連絡するから、よろしく』


誰かに見られたら怪しまれる内容だ。

背後に誰もいないことを確認して、『分かりました。連絡お待ちしてます』と返信する。

そして、新しいフォルダを作成して、そこに和真からのメールを移動させた。フォルダ名は、『KM』(和真メールの略)にする。

また和真からメールが届くかもしれない思うと、ワクワクと心が弾む。

いけない! 浮かれていないで仕事だ、さあ仕事!

私は社内報の社員紹介をするコーナーを担当している。毎月月末に発行していて、今月は社員3人を課長と共にインタビューして、それを私が記事にしてまとめあげる役目になっている。

その中の一人は社長秘書をやっている男性社員で、社長と一緒に写っている画像を載せて欲しいとの要求があった。

しかし、忙しいらしくなかなか画像が届かないので、そのスペースを空けて待っていた。
< 83 / 232 >

この作品をシェア

pagetop