声が聞きたくて


わからないことだらけ。
雅人さんに聞いても


「俺には聞こえるんだ」


それしか言ってくれない



『私の声って、どんな声?』


「ん?……可愛い声」



自分の声も忘れてしまっていた
もう何年も病院に行ってない

精神的なもの……
だから病院は私を手放した


何も病院ではできないと見放された
仕方がないことなんだ。



「おやすみ、あずさ」


今日も雅人さんは私を抱きしめて寝る
雅人さんは私を抱こうとはしない


それでいい……それで……
私みたいな汚い物に染まってほしくない。
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