声が聞きたくて


そんなこともあるだなと
自分でもビックリした


自分のマンションへ戻り
『ただいま』
と、声にならない声を出す


誰も「おかえり」なんて言ってくれない
それでも、毎日言う


毎日、父と母と妹の写真に向かって……
じゃないと、本当に一人ぼっちなんだ。


寂しさを紛らわすために
無駄な電気をつけ
見もしないテレビをつける


寝る時も電気は消さない
ただ白色灯ではない……

白色灯だと
あの日のことを思い出してしまうから。


忘れてしまっている部分もあるが
身体は嫌でも覚えている

記憶になくても
身体は小刻みに震える



これをあと何年続くんだろう
終わりはないんだろうか……
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