声が聞きたくて
「逞さん、ありがとうございます」
真純さんの言葉に私は驚いた
この人が……逞さん
雅人さんの側近の……。
「いえ、遅くなって申し訳ありません」
「もうお帰りですか?」
「あ……はい、けど……」
真純さんが私を見る
真純さんは私を心配しているんだろう
「お送りします」
「真純さんもどうぞ」
そう言って、私を立たせてくれた逞さん
そのまま歩いて行くと
一台の車が停まっていた
明らかにっていう車
逞さんはまだ仕事中なんだと思った
「どうぞ」
そう言ってドアを開けてくれた
車に入ると、ふわっと香るシトラスの香水と微かなタバコの匂い
「大丈夫か」
そう言って自分の胸へ収める