声が聞きたくて



朝、目が覚めれば
いつものように私は抱きしめられていて
それを私は安心してしまう


「今日は休め、貴に言っといたから」



……貴?誰それ


「貴明……社長だろ?」



あ…、そうだった
忘れていた、社長の名前。


「疲れてんだろ?化粧も服もそのまんま」


そう言われてハッとして身体を起こした
服はシワシワ、枕カバーにはファンデーションがついていた


はぁー……最悪


「俺も休むから、ゆっくりしよう」


多分、昨日の今日だから
雅人さんは忙しいのに休んでくれたんだと思う


情けない……
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