声が聞きたくて

必然




コン、コン


テーブルを叩く音がした
本に世界に入っていた私を
誰かが読んできた


松さんだろうと思い
私は本から視線を移した





『……優也さん』



思わぬ人に私は驚いた



優也さんは、驚いた顔をしたけど

「ここ、いい?」


そう言って座った
……良いって言ってないし。



……ふっ、そういえば
逞さんもそうだったな…




「元気そうだね」


『はい、この通り』


ニコニコしながら眺めてくる優也さん



「声、初めて聞いた」



当たり前だよ
あれから知り合いすら会ったことない
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