声が聞きたくて


ビニール袋を持つ彼を追いかけるようにコンビニを出る時、外にいたコンビニの店長と入り口で出くわした


「あれ?こんな時間に珍しい。まだ仕事?」


私がうん、うんと首を振ると
ガンバッテーっと手を振られる


私も手を振り彼のあとを追いかける


ようやく彼に追いつき
彼の腕を掴む


「ん?あ、こっちじゃなかった?」


私は首を振ると
フッと、また笑ってくれた


ゆっくり歩き出し
私も歩き出す


あ……名前……


彼の袖を引っ張ると
彼はん?と顔を向ける


『名前』


そう言うと、少し驚いた顔をした彼
けど、それも一瞬。


「それが……君の声なんだ」
「俺は……雅人」


「……君は?」


雅人…さん


私の名前……


『矢沢……あずさ』



「……やざわ……あずさ?」


私が頷くと、また笑ってくれた


予期せぬところで会い
名前を聞けた……雅人さん……
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