小悪魔な彼の想定外な甘い策略
ちょっとちょっと……私の『違います』が完全に放置プレイなんですけど。


ドアの向こうでは、キャッキャと何やら会話が続いていて。


ただでさえ、試着室からバーンと飛び出して『どーおー?』みたいなの、無理なのに、店員さんが梶山君の彼女だと思って待ち構えてるって一体何の苦行……?

無理無理無理無理。


急いで脱ごう、とワンピースに両手をかけたその時。


「そろそろどーかなー」

という声と共にドアがノックされ、ヤバイ!!と思った瞬間には、梶山君が開けてしまうという。


「変態!」


「いや俺ノックしたし!」


「ノックしたら返事待つのが普通でしょ?!」


「そしたら開けてくれないじゃないですか!」


小声でやりとりをする。



チラリと見ると、丁度さっきの声の店員さんはレジ対応をしていて、見られなかったのが不幸中の幸い。

あ、もしかして、店員さんがいない時にわざわざ……?
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