小悪魔な彼の想定外な甘い策略
「昔も今も変わらず、生徒にちゃんと教えようとする真面目なところもー、笑うと小さい子みたいに幼い雰囲気になるところもー、一人の職場で物音にびびって机の下に潜ってるところもー、試着に異様な照れを見せるところもー、うっかり酔っ払って記憶飛ばしてとんでもないことするところもー、好きですよ 」


急に語り出す梶山君。


「いや、なんかそれ後半にいくにしたがってディスってない?」


「何がですか?もうね、どんなところも好きです!」


元々そういうこと言っちゃいそうなタイプであることは端から見ていて分かっていたつもりだけど、いざ自分が言われると……意外と嬉しい。かも。本人には言いたくないけど。


「あとすみれさんの好きなとこ、100個言えます!」


「遠慮しときます……」


「え、なんで?!」


「……私も、同じ数だけ出せるまで待ってて」


貰うばっかりじゃ、フェアじゃないから。

この気持ちに気づかせてくれた、ここからのスタートだし。

「……」

無言の梶山君をそっと見てみれば、なぜか泣きそうな顔。
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