小悪魔な彼の想定外な甘い策略
頭の中で、どうポジティブにシュミレーションをしても、今から電車に乗って家に帰ってシャワーを浴びて出勤……うん。間に合うわけがない。


どうしよう。


とりあえず、床に転がったバックや、私のものらしきハンカチなどを拾い集めにかかる。


おたおたとする私を、余裕の雰囲気で見つめる蓮田さん。


「すみれちゃんって、清純そうに見せかけて結構激しいよね」


投げ掛けられた言葉に、びくっと身体が反応する。

……えーーーーーーっと、ま、まさか……。


確かに、あられもない姿ではあったけれど。
……ま、まっぱじゃなかったし……。


「あ……の……私、何を……」


「なにをって!アハハハ、まさか覚えていないとか?とりあえず、酔っ払ってカウンターに突っ伏して動かなくなったすみれちゃんを、ここに運んで休ませて、置いとくわけにいかないから一緒にいたら……すみれちゃんがどうしてもとかおねだりするし」


……ちょっと待って、怖すぎる。
私まさか酔った勢いで蓮田さんと……し、しちゃった……とか?!
おねだりってなによ……。

冷や汗が背中を伝う感覚を覚えながら、ちらりと蓮田さんを見れば、余裕の微笑みで。
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