君とキスをした。

そっけないおわり




放課後





教室に入ると、教室には彼だけがいた。


彼を見つけた時、さっき感じていた不安がまた戻ってきた。


彼は私に気がつく。彼はやっぱりさっきのようにどこか暗い顔をしている。


「来てくれ」



「…うん」


彼に笑顔はない。私の顔も少しこわばっている。



早足で彼に近づき、目の前まで来た時、


彼は少しうつむいて、


「別れよう」

たったその一言を、



つぶやくように言った。



やっぱ、こんなことだと思っていた。
予想はしていたけど、いざとなると頭が真っ白になった。

どうして?


そう理由を聞きたかったけど、しつこくすると嫌われるんじゃないかって思って、口が動かなくなった。



「あ…」



『わかった』って言ってあげたくて、でもそれより先に目がどんどん熱くなっていった。

何かがこみ上げてくるような。



私は震える声を必死におさえて、その一言を言った。




「……わかっ…た」



私の声はひどく弱々しかった。








< 3 / 12 >

この作品をシェア

pagetop