生神さまっ!
*
「ここに……」
後ろから聞こえる雄叫びのような声で、私のつぶやきは空へと消えてゆく。
けど、あたしの手を握っていた冬斗だけは、小さくうなずいた。
「…行こーぜ2人とも!」
「待て、夏樹!
…春乃がいなきゃ、無理だろ」
「おいおい俺をナメちゃいけねーよ冬斗!
春乃はさ…」
まるで、この戦いを楽しんでいるかのように。
綺麗に笑った夏樹は、言った。
「…もう、この中にいるよ」
そう言ってにっと笑った夏樹は、一目散に…佐保邸へと走っていった。
冬斗ははぁ、と1つため息をつくと、「行こう」と言う。
「ねえ、冬斗…春乃がここにいるって、本当?
…もしかして春乃ってもう…」
「…大丈夫。
春乃は弱そうに見えるけどさ、
実際、すっごく強いヤツだから」
冬斗もまた夏樹のようににっと笑うと、私の手を引く。
あ、あと1つ!言いたいことがあるんだけれど!
「ちょ、手握らなくても大丈夫だから…!」
ふと冷静になって考えてみたら…私と冬斗は、ふっつーに手を繋いでる。
結構恥ずいんですからね。こっちは!
「…まあ、繋いでた方が良いでしょ?安全だし」
「え、ちょ、まっ……」
冬斗に引っ張られるがまま、佐保邸の門まで走る。
門の前には…夏樹。
背中を私たちに見せてるせいで、彼の顔は全く見えない。
けど…なんで開かないのかな。
簡単に開きそうだけど。鍵とかない、昔の家の門造りだし…
「…夏樹」
「ん」
夏樹は手を前に出して、門にそっと触れる。
すると、門が異常な速さでガゴン!と開いた…!
「…結界、作ってあったんだよなー。
けど、まあ…
俺からしたら、いくら卑弥呼でも…弱っちい結界だけどな」
「ここに……」
後ろから聞こえる雄叫びのような声で、私のつぶやきは空へと消えてゆく。
けど、あたしの手を握っていた冬斗だけは、小さくうなずいた。
「…行こーぜ2人とも!」
「待て、夏樹!
…春乃がいなきゃ、無理だろ」
「おいおい俺をナメちゃいけねーよ冬斗!
春乃はさ…」
まるで、この戦いを楽しんでいるかのように。
綺麗に笑った夏樹は、言った。
「…もう、この中にいるよ」
そう言ってにっと笑った夏樹は、一目散に…佐保邸へと走っていった。
冬斗ははぁ、と1つため息をつくと、「行こう」と言う。
「ねえ、冬斗…春乃がここにいるって、本当?
…もしかして春乃ってもう…」
「…大丈夫。
春乃は弱そうに見えるけどさ、
実際、すっごく強いヤツだから」
冬斗もまた夏樹のようににっと笑うと、私の手を引く。
あ、あと1つ!言いたいことがあるんだけれど!
「ちょ、手握らなくても大丈夫だから…!」
ふと冷静になって考えてみたら…私と冬斗は、ふっつーに手を繋いでる。
結構恥ずいんですからね。こっちは!
「…まあ、繋いでた方が良いでしょ?安全だし」
「え、ちょ、まっ……」
冬斗に引っ張られるがまま、佐保邸の門まで走る。
門の前には…夏樹。
背中を私たちに見せてるせいで、彼の顔は全く見えない。
けど…なんで開かないのかな。
簡単に開きそうだけど。鍵とかない、昔の家の門造りだし…
「…夏樹」
「ん」
夏樹は手を前に出して、門にそっと触れる。
すると、門が異常な速さでガゴン!と開いた…!
「…結界、作ってあったんだよなー。
けど、まあ…
俺からしたら、いくら卑弥呼でも…弱っちい結界だけどな」