生神さまっ!
「俺がどうやってココに来たのか。

そんな、話」





…夏樹が私に何度も聞いてきた話題だ。

今の彼の笑顔は、相変わらずの妖艶さ。


そんな笑みで言うもんだから、少し怖くもなって来た。



けど、怯まずに…私は堂々と立ち振る舞う。




「夏樹は…どうやってココ…天界に、来たの?」



「…ヒトは幸せも苦しみも合わさってのもの。
決して幸せだけだとは限らない。

昔、知り合いからそんな言葉を聞いたんだけどさ。
その通りだとも思うし、思わなかったりもすんだよね。


かの藤原道長公は、晩年は毎日が幸せだったはずだろ?

所詮それは全部、自分の考え方次第だと思うんだよね」



「…えと、どうゆう…?」



突然哲学的な話になっちゃって、頭をひねらせる。



「…ごめん、また変なこと言っちまったね、俺!

本題に入ろうか。


俺がさ、ココに来た"きっかけ"って言うのはさ…」





夏樹は妖しく笑い、私の顔にぐっと自分の顔を近づけて来た。


夏樹の吐息が、感じられるほど近くに…




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