生神さまっ!

四、鮮血ニ染マル



俺は、産まれも育ちも孤児院な。

生粋の"孤児院っ子"だった。




小さな街の、孤児院には。

俺以外の子供は10数人。


俺は赤ん坊の時からここにいて。

この街にいた。




産まれつきの、真っ赤な髪。

産まれつきの、うっすらと赤い目。




そんな俺を、
忌み嫌わない方が。


よく考えれば、おかしかった。




「おい夏樹!こっち来てみろよ!!」



「あかーいかーみのなーつきちゃん!

知ってるか!?コイツ、孤児のババアとかから"夏樹ちゃん"って呼ばれてるんだぜ?」



「そりゃいいじゃねえかよ!!

お前も気に入ってんだろ、夏樹ちゃん?」




「夏樹ちゃーん!」


「なっつーきちゃーん!」


「確か俺の姉ちゃんのクラスに、女で夏樹ちゃんっていたぜ?」


「お、やっぱお前女じゃねーか!!」



…くだらない。

俺は目の前でギャーギャーと騒ぐ同じクラスの男子4人を、冷めた目で見ていた。




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