生神さまっ！

「うふふ、筒、おめでとう。

これであなたも外出許可を得られるじゃない」




「…佐保。いつからそこにいたの」



「儀式が始まったぐらいからかしら？」




…え！？

後ろを振り向くと…いつに間にかそこには、佐保姫様が……



「…え、え…いつの間に…！！？」



「あら、秋奈も気付いていなかったのね？」



そりゃ気付きません！物音1つ立っていませんでしたもん！！



「冬斗は…気付いてたわね？」



「…まあ、気配を感じるのは得意なんで」



「あら、頼もしいわ」



冬斗は気付いてたんだ。
オロオロしてる様子から、春乃は多分気付いてなかったんだとおもうけど…

…ちょっと悔しい。





「…で、筒。

彼になにか伝えたいことがあったんじゃなかったかしら？」



「…なの。

夏樹、聞くの」




…夏樹は心当たりがないのか、え？という顔で筒姫様を見る。

佐保姫様は相変わらず可愛らしい笑顔でニコニコしてる。


…ある意味筒姫様とは正反対だ。




「……香織の、こと」



「っ、！！」