生神さまっ!
「秋奈はさ、部活とか入んねーの?」



「うん、入らない」



「えーなんでだよ。

確かお前、美術部興味あるとか言ってなかった?

スポーツではテニス、とか」



「…でも、入らないよ」



中1の頃。

私はぐちゃぐちゃの色を白で隠しながら、


幼馴染の"亮太"にそうこたえた。




「亮太はさ、確かサッカー部でしょ?」



「もちろん!

俺はサッカー部一筋なんでね!!



きっと、亮太ならすぐにサッカー部のエースになるだろうな。

そう思っていた。



その予想は的中し、亮太は期待の1年としてすぐにレギュラー入りも果たし、

ルックスの良さから女子にもモテだし、

性格の良さから男子からも人気が高い、


"人気者"になった。




「……すごいね、亮太は!!」



「つっても、2年の先輩にはまだまだ及ばねえけどなー…

ま、来年中に抜かしてやる!!」




1年の終わりにそう話していた。


亮太の笑顔は眩しかった。

私なんかとは違って、とても綺麗だった。



私の世界と亮太の世界は違った。


< 356 / 686 >

この作品をシェア

pagetop