生神さまっ!
「お忘れですか、冬斗さま」




私は本能のまま…喉の前にある日本刀を掴む。

それに驚きを隠せていない、彼の目。



暗い目は消え去って、元の彼のような目になる。




「わたしの力を、あなたは知っているはずですけどねえ」



「…」




黒髪の彼は無言で日本刀を動かそうとする…けど、日本刀は私が掴んでいる。



「…離して、秋奈」



「…嫌です」



「…お願いだから」





「…いや、です」





私の声が彼に届くたび、彼は悲しそうな顔をした。


彼は俯くと…一度ため息をついて、日本刀を手放す。




私だけが日本刀に触れている状態になった。




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