生神さまっ!
「…だれ?」



凍てつくような寒い風が体に容赦なくぶつかってくる。

羽織ってきたコートを抑えながら、私は前を見た。






…それは、とても綺麗だった。


星がきらめく闇色の夜空に金色の月は三日月となって浮かんでいる。


それを背景にして立っている人物は、カシャン、という金属音と共に警戒するように一歩下がった。



距離にして、10mほど。



屋上で、私は出会ったのだ。





「……閉め忘れちゃったのか」



あはは、と笑う少年が、月明かりに照らされる。


その美しい笑顔が、私の目に焼きついた。



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