腹黒司書の甘い誘惑
わたしは大慌てで顔も真っ赤で、もうどうしようもなかった。

「あの、あの、今日もこれからも普通でいいですから普通で!」

「それは無理。たっぷり愛してやりたいから」

ほら、もう。そういうことをさらっと言わないでほしい。

「理乃」

しかも誘うように名前を呼ぶのだから、だめだ。
わたしはゆっくりと顔を上げて柊也さんを見つめた。

絡まる視線。もどかしくて堪らずわたしから近づいた。

待っていたと言わんばかりに強く抱きしめられて、深いキスをされる。

「……移動しよう。本当はもうずっと、限界だったんだ」

離れた唇が珍しく余裕のない声を出したから、どきっとした。

熱っぽい瞳でわたしを見る柊也さんに頷くと、手を引かれて寝室に向かう。

緊張よりも柊也さん触れてもらいたい気持ちが強い。

ベッドに優しく倒されて、覆いかぶさった柊也さんと再び唇を重ねた。

「なるべく優しくするよ。たぶん」

「たぶんってなんですか……」

「抑えられなくて無理させたらごめんね」

微笑みながら手際よくわたしの服を脱がせていき、そっと肌に触れていく。

柊也さんの引き締まった体にどきっとして、どこを見ていいのかわからなくなってしまった。

恥ずかしくて体に力を入れたけど、色々なところにキスをされてすぐにこわばりが解けた。
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