腹黒司書の甘い誘惑
好きだという想いがあふれて仕方ない。

手を伸ばして柊也さんの頬に触れたら、彼は口許を緩めてわたしの手を掴み、指を絡めてベッドへと押さえつけた。

「可愛いな」

「さっきからずっと恥ずかしいのに……見ないでください」

「好きな女の全部を見たいって思うんだから仕方ないだろ」

「いちいち照れるようなこと言わないでっ……!」

真っ赤になっている頬を隠したいのに、手を押さえつけられてしまっているからできない。

力いっぱい目を瞑ったら、額に優しく唇が触れた。

「好きだよ」

そしてうっとりしてしまいそうなほど甘い声で囁かれて。

「わたしも好きです、柊也さん……」

目を開けて、潤む瞳で柊也さんを見つめたら、彼は色っぽく目を細めてわたしの視線に応えた。

「……ん、抑えるの、無理」

眉根を寄せた柊也さんがあまりにも綺麗で見惚れた。

合わさった肌の温もり、労わるような視線と表情で柊也さんの想いが伝わる。

好きな人にこうして想ってもらえることは幸せなこと。

ぼうっとする意識の中、とても満たされた気持ちでいっぱいだった――
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