あるワケないじゃん、そんな恋。
「洋ちゃんに勉強教えて欲しーの!ちょっとだけ時間取れない?」


学生っていいよねぇ。
キッカケってものがあるから。


「仕様がねぇな。15分だけだぞ」

「わーい!ありがとう!!」


ちらっとこっちを確認しなくていいって。

先週からずっと羽田とは口きいてないから。


目だって向けられてないし、挨拶もサッパリしてない。


今は芹那ちゃんの方が確実に羽田に近い場所にいる。

彼女だって言われても間違いのないくらいの位置にね。





「…羽田ちゃん、乗り換えかなぁ…」


クマさんの声だだ漏れだよ。


「菅野ちゃんから芹那ちゃんに?酷だよねぇ…」


店長ったらまた憐れんでる。


「やっぱ年下の方が可愛いんですかね〜〜。芹那ちゃん女らしいもんなぁ〜〜」


バイト君にそこまで言われる筋合いないけどぉ……?



いい加減な噂にウンザリする。
このままいつまでも無視されるのなら、この仕事続けてる意味まで失くしそう。



「お邪魔しましたー!」


目の前を笑顔で通り過ぎてく芹那ちゃん。

高校のミニスカがお似合いで、黒いハイソックスとの隙間から覗いてる膝小僧が可愛いらしい。



(恋する女の子って、あんなフレッシュなんだなぁ……)



自分もまだ25歳にもならないけどさ。

若さだけじゃなくて、全てにおいて負けてるって感じする。



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