あるワケないじゃん、そんな恋。
「はぁっ⁉︎ 」



何言ってんだ⁉︎こいつ…。

今そんなことに力注いでる時期かぁ⁉︎


センター試験って週末だよな⁉︎

受験生は皆、目の色変えて勉強してる最中だろ⁉︎


余裕あるからって、ボケかますなよ。

息切らせて肩怒らさせて、一体何事だよ。




「どーなの!洋ちゃんっ!!」



あーやれやれ。

コレだから女は面倒くせぇんだ…。



「…はいはい。俺も芹那のことは好きだよ。可愛いーし、声もイイし、素直で明るいからー」



菅野とは違う魅力のある子だよ。

普通の男なら、お前を絶対放っておかねぇよ。


……でも、俺はダメなんだ。

どんなに可愛くて素直で明るい子でも、周りにいる女たちと同じようにしか思えねぇ。


そんなの磨きようがないからつまらん。

デコボコでザラザラしてて、どうしようもない石ころの方が一緒にいて楽しいんだ。

趣味が悪いって、周りに幾ら言われてもさ……。




「芹那……俺は………」



玉砕覚悟で来たんだろ。
これまでの女たちと同じ顔してるもんな……。


「悪ぃ…俺………」



「芹那ちゃんっ!!」


ーーーーん?



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