あるワケないじゃん、そんな恋。
「良かった〜〜!見つけたぁ!探したよ〜!一緒にケーキ食べる約束してたのに、約束の場所にいないんだも〜ん!!早く行こっ!1日30皿の限定ケーキ、売り切れちゃうから〜〜!」


後ろから飛び出してきたヤツに、芹那の目が釘付けになってる。

明らさまなウソなんかつきやがって、何考えてんだ。こいつは……。



「ねっ!早く行こっ!今日は私が奢るから!」


しがないパート身分で、クビになるのも怖がってたヤツが奢るのかよ。


どんだけだよお前。

芹那に奢る金があるなら、俺にクリプレくらい用意しとけ!




「待てよ……!」


芹那の腕掴んで引き止めた。

今まで散々邪魔されてきたけど、今回だけはさせねーぞ。


その耳でよーく聞いとけ。

俺の気持ちを。

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