あるワケないじゃん、そんな恋。
ビュービューとひどい風が吹いてるのに気づいたのは夜中。

私の足元に寝ているペソは、小さな体を丸くしてる。


(寒いかも…)


毛糸で編んだペソ用の布団を掛けてやった。
ペソは起きることもなく、クークー…と寝息を立ててる。

あれから羽田は電話をしてくることもなく、留守電に何のメッセージも入れられなかった私は、ただ着信履歴を残すのみとなってしまった。

勇気を出しても続かなきゃダメだ。

意気地がないって言われても、あれが出来ることの精一杯。


後は、羽田が動いてくれないと困る。

私にはもうどうしていいか、サッパリ分からんことだらけだから。



(こっちから電話してやったのに、一切応答もナシって何よ。ホント最悪。腹立たしいったらありゃしない!)



泣いたり怒ったり……確かに忙しい私。



(あーあ。羽田と話したい……)



口悪くてぶっきら棒な奴だけど、私にだけ優しい時がある。

その優しさを元カノにも見せてた筈なのに、どうして彼女は他の人と結婚なんかしたんだろう。



その人は羽田とどこが違ったんだろう?

その人の方が優しかった…とか?



(私は羽田の下手くそな優しさが好きだけど……)



恋愛小説の中には、いろんな恋や愛の話が詰まってた。

一つ一つ似たような感じではあっても全然違う話だった。


それはきっと主人公が一人一人違ってて、書いてる作家さんの思いも、きっといろいろに分かれてるからで。

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