あるワケないじゃん、そんな恋。

「俺が派遣の話を拒否ったのは元カノとのことがあったからだ。菅野がどーのとか関係ねぇ。お前は俺が別れるつもりでいるから優しいと思ってるようだけど違う！…俺なりに反省したんだよ。いつも菅野に対して優しくなさ過ぎたな…って。こんなんじゃまたダメになるかもな……って」


ペソと同じようにすり寄ってくる。
近い距離にいる羽田は、いつも何処かしらあったかい…。


「…お前に好かれてるか自信が無いのは俺の方なんだ。いつも逃げられてばっかいるし、なんだかんだ言って受け入れられねーし。…抱こうとすれば背中を向けられるし、キスすれば嫌がられて。ホントに俺はどうすりゃいいんだよ……」


愚痴っぽくなってきた言葉に顔を見つめた。
赤く染まってるように見える頬は、初めてデートしたイブの夜を思い起こさせた。



「俺は、本気で菅野が好きなんだ。…お前に泣かれると弱いんだよ……泣き顔が可愛すぎて、他の男に見せたくなくなる。悪態ついてばっかでごめん。でも……ホントに………」





ぎゅっ。




「菅野……」